髪の美しさを決めるキューティクル

健康や美容への関心が高まる中、多くの女性が、肌だけではなく髪のエイジングケアにも気を配るようになってきました。美しく健康な髪の毛を維持するためには、正しいヘアケアが必要不可欠です。髪が艶やかで美しく健康かどうかは、キューティクルの状態で決まると言っても過言ではありません。

毛髪の構造とキューティクルについて

私たちの髪は、メデュラ、コルテックス、キューティクルという3つの層によってできています。毛髪の色はメデュラの密度やコルテックスに含まれるメラニンの種類や量、柔軟性や太さに関しては、コルテックスに含まれるたんぱく質や脂質、水分量で決まります。

キューティクルは固いタンパク質でできており、3つの層の一番外側にあります。半透明のうろこ状のものが重なった構造をしており、メデュラやコルテックスを覆って保護しています。キューティクルの各層を覆っているMEAと呼ばれる薄い脂質の膜は、髪の摩擦を低減してまとまりをよくする役割りがあります。また、MEAは髪にツヤを与え、しなやかで指通りの良い感触にします。

ダメージヘアの原因、キューティクルの傷み

枝毛や切れ毛、パサパサと乾燥する、艶がないなど、髪のダメージの原因の多くがキューティクルの損傷によるものだと考えられています。キューティクルが傷む原因には、パーマやカラーの薬剤、洗髪やタオルドライによる摩擦、ドライヤーやヘアアイロン、コテの熱、紫外線など外部からの刺激が挙げられます。キューティクルが損傷して剥がれ落ちた箇所は、その周囲も少しの刺激でキューティクルが剥がれやすい状態になっています。

また、損傷箇所からは水分が失われ、洗髪中にタンパク質が流出するなどダメージは進行していきます。毛髪には自己修復機能がないため、一度損傷したキューティクルは元に戻ることはありません。

健康な髪を取り戻すには新しく生え変わるのを待つしかないのです。枝毛や切れ毛を見つけたら早めにカットして損傷の広がりを防ぎましょう。カットできない箇所は、コーティング作用のあるヘアオイルやクリームなどを使って保護しましょう。

髪のダメージを防ぐヘアケア

健康な髪を維持するためには、毎日のヘアケアが大切です。ここでは、キューティクルを守り、ダメージから髪を守るシャンプー法とドライヤーの使い方についてご紹介します。

キューティクルを守るシャンプー法

①シャンプーの選び方
シャンプーは泡立ちが良く、洗髪中のきしみや絡みの少ないものを選びます。頭皮の健康のためにも、アミノ酸系など肌にも優しい洗浄剤を使用したものが良いでしょう。

②ブラッシング
シャンプーの前に、ブラッシングして髪のもつれや絡みをなくします。できればブラッシング専用のブラシを使うようにしましょう。

③予洗い
シャワーで頭皮と髪全体を軽くすすぎます。

④洗髪
シャンプーを手のひらに取り、濡れた髪と頭皮に塗布して泡立てます。指の腹を使って頭皮をマッサージしながら洗いましょう。両手で髪と髪を擦り合わせるような洗い方はせず、髪が絡まっても無理に引っ張らないようにしましょう。泡で包みながら丁寧に優しく洗います。

⑤すすぎ
シャワーを使って、溜め洗いをしながらすすいでいきます。泡が残りやすい耳の裏や襟足にも丁寧にすすいだら、軽く絞って水気を切ります。コンディショナーやトリートメントは、必要に応じ使用法に順じて使いましょう。

ドライヤーの使用法

髪を洗った後は、必ずドライヤーで乾かすようにしましょう。濡れた髪を放置したりそのまま就寝すると、キューティクルを傷める原因になります。

①タオルドライ
吸湿性の高いタオルを使いましょう。乱暴にゴシゴシと擦らないようにします。

②ドライヤーの選び方
温風が高温になりすぎないマイナスイオンドライヤーを使いましょう。温風の温度は100度以下、理想は60度くらいです。送風口が末広がりになったタイプのものか、広範囲に送風できるアタッチメントのついたものを選びます。

③ドライヤーの使い方
髪の乾燥やダメージが気になる時は、ヘアウォーターやシリコン入りのオイルなどを使ってコーティングを行ってからドライヤーをかけます。この時、頭皮にはコーティング剤をつけないように気を付けましょう。
次に、ドライヤーで送風しながら髪全体を乾かします。温風が高温になっている場合は髪から少し離して送風するなど工夫しましょう。

④キューティクルケア
生乾きになってきたら、開いたキューティクルを閉じるようなイメージでブラッシングしながら送風していきます。ブラシが上手く使えない時は手櫛を使います。ドライヤーを持つ手とは反対側の手で髪を掴んで、上から下へと指を滑らせるようにしながら送風し、キューティクルを閉じていきます。そして髪全体が乾いたら終了です。

健康なキューティクルを持つ髪は、何もつけなくても艶やかで美しく輝いています。上記を参考にしながら日頃から丁寧なヘアケアを心がけ、大切なキューティクルを守りましょう

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