『イル・トロヴァトーレ』英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン2016-17

<初心者オススメ度★★★☆☆ 愛好家オススメ度★★★★☆>

<一緒に観る人・・・バレエよりお芝居よりミュージカルより宝塚より、何よりオペラが好きな人、またはロッカー(vo)>

週末はまたまたオペラシネマ、今回はTOHOシネマズ日本橋です。

相変わらずサラウンドが効いて良いオペラ環境とは言えませんが、スクリーンの裏で頻繁に聞こえるゴロゴロと鳴る雷のような地響きは、今回聞こえませんでした。(隣のスクリーンの映画内容によるのかしら?それとも直した??)

さて、ヴェルディ中期の傑作「イル・トロヴァトーレ」、4人の歌い手ががっぷり四つで愛憎の激しいぶつかり合いを歌い上げるこのオペラ、なんせレオノーラ(ソプラノ)は難しすぎだし、マンリーコ(テノール)はプレッシャーが凄すぎる。

がっぷり四つなだけに、弱い奴(下手なソリスト)は吹き飛ばされちゃって、公演後全く記憶に残りません。

ヴェルディがこのオペラのために書いたアリア、カヴァティーナ、カバレッタの破壊力は凄まじく、完璧な声で完璧に歌われると卒倒しそうになるほどの快感が得られます。

私も経験がありますが、観客は興奮のあまり足で床を踏み鳴らし、狂ったように拍手するので劇場はリアル割れんばかり

だからその印象が強すぎて、他の場面は全部忘れてしまうことが^^;

 

さて、今回のこの公演、気が狂いそうになるほどではないものの、バランスの取れた良い公演だったと思います。

中でもアズチェーナを歌ったアニタ・ラチヴェリシュヴィリは、オペラ史上この役を歌った多くの名メゾソプラノ達と比べても

傑出していると思いました。

METでカルメンを歌った時も評されていましたが、「ビロードのような声」とはまさに彼女のような声のことをいうのでしょう。

本当に美しい深みのある響きで、声量も凄い。

かなりボリュームのある体型で目力が凄いので存在感もあり、終幕の「Sei vendicata, o madre!(復讐したよ、母さん!)」はパーフェクト!

私はここ、絶対決めて欲しいとこなので、唸ってしまいました。

というわけで、ラチヴェリシュヴィリのアズチェーナ目当てなら絶対オススメ。

 

実はこのアニタ・ラチヴェリシュヴィリさん、私のインスタのオペラ投稿にいいね!して下さり、フォローしてくれています。

ほんとビックリしたのですが、この公演を観て改めて凄い方にいいね!もらっちゃったと感動してしまいました。

最近はアイーダの「アムネリス」を歌っているようで、インスタに動画UPされているものを観ましたが、素っ晴らしかったです!

ボロディナ、コッソット、シミオナートなど、歴代の名メゾと比べても勝るとも劣りません。

この声、生で聞きたい!!

 

『イル・トロヴァトーレ』(ヴェルディ)

英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン2016-17

  • 【演出】デイヴィッド・ベッシュ
  • 【指揮】リチャード・ファーンズ
  • 【出演】リアンナ・ハルトゥニアン(レオノーラ)
    グレゴリー・クンデ(マンリーコ)
    アニタ・ラチヴェリシュヴィリ(アズチェーナ)
    ヴィタリー・ビリー(ルーナ伯爵)
  • 【上演時間】3時間9分